【和訳】Like a Tatoo/ Sade シャーデー

【和訳】Like a Tatoo/ Sade

12. Sade – Like a Tattoo





*後述しますが、この曲はヴォーカルのSade Aduがバーでたまたま出会った人の実話をもとに書かれています。
曲の語り手は、元軍人の男性。そのイメージで聴いてみてください。





彼は 若い恋のかわいい嘘をついた
真実の重荷に 押し潰されて
そして彼は 自分の夢を語った
重責によって壊されてしまった
彼の若さの重責によって 壊されてしまった


“14歳なんだ”とその彼は言った
そのあとは お天道様を見れなかった
俺の銃で倒れる彼を 彼女が見てしまったから
生きることに飢えていて
遠くの川に 渇いていた


降伏のサインに挙げた手と
その瞬間に見えた山の景色
ダイヤモンドのような彼の瞳を 憶えている
生きることに飢えていて
遠くの川に 渇いていた


歳を重ねるたび増える傷のように
俺の顔中に刻まれていく
あの戦争はまだ 自分の中で激しさを増しているんだ
まだ あの背筋が凍る感覚を感じてる
君にこの恥を打ち明けたように
この罪悪感をタトゥーのように刻んで 生きていく
この罪悪感をタトゥーのように刻んで 生きていく
この罪悪感をタトゥーのように刻んで 生きていく




He told me sweet lies of sweet loves
 Heavy with the burden of the truth
 And he spoke of his dreams
 Broken by the burden
 Broken by the burden of his youth

 "Fourteen years," he said
 "I couldn't look into the sun
 She saw him laying at the end of my gun"
 Hungry for life
 And thirsty for the distant river

 I remember his hands
 And the way the mountains looked
 The light shot diamonds from his eyes
 Hungry for life
 And thirsty for the distant river

Like the scar of age
 Written all over my face
 The war is still raging inside of me
 I still feel the chill
 As I reveal my shame to you
 I wear it like a tattoo
 I wear it like a tattoo
 I wear it like a tattoo


 Written By Sade Adu, Stuart Matthewman & Andrew Hale






Sadeの作品は愛情の深い部分まで歌っているから好き、とこのブログで書いてきました。

しかしSadeはそんな濃厚な大人のラブソングだけではなく、この曲を含む数曲で戦争をテーマにしています。



この曲の背景について、過去のインタビューやライブのMCでSade Adu本人が解説をしていました。

〈参考: Red bull music academy-dairy/ Interview: Sade, Genius/ Sade like a tatoo


この曲はNYの14番街にあるアイリッシュバーでたまたま出会った男性が話してくれた実話をもとに書かれており、ベトナムに戦争に行ったときに人を殺めてしまったときの心情を歌っています。




ベトナムの兵士だった14歳の少年に出会い、こちらが銃を向けると、彼は恋人や自分の夢の話、まだ若い自分の年齢の話をして命乞いをしてきた。


さらには両手を挙げた姿勢で、降伏する意思を示していました。




それなのに、自分の手で引き金を引いてしまった。




その理由は「生きることに飢えていて 遠くの川に 渇いていた」


自分自身や仲間もいつ殺されるか分からない緊張感の中に、常に身を置き、
(=生きることに飢えていて)

とにかく生きて一刻も早く帰り、大切な人たちとの普段の暮らしに戻りたいと願う。
(平和な日常=遠くの川 を渇望していた)



そんな精神状態で、本来の彼自身の思考にのっとった行動が取れなくなってしまったのでしょう。






最後の段落では、時間軸がSade Aduと歳を重ねたその男性が、バーで戦争の思い出話をしているところまで進みます。

いつまでも癒えないトラウマを、まだ体に残る感覚を、奪ってしまった命を、消せない罪悪感を、


タトゥーのように一生自分に刻み付けて、報いたい。



たまたま出会った見知らぬ女性にそんな話をするのは、彼が本来は心優しい人だからでしょう。


憎きは、そんな人をも変えてしまう戦争です。

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